飛鳥資料館は、日本人の心のふるさと「飛鳥」の歴史と文化を紹介する資料館です。飛鳥の文化財を調査・研究する奈良文化財研究所の展示施設で、昭和50(1975)年に開設されました。

 飛鳥は古代国家誕生の地として広く知られています。592年に推古天皇が豊浦宮に即位してから、694年に藤原京に遷都するまでの約100年間、飛鳥に天皇の宮殿が継続的に営まれ、政治文化の中心地として栄えました。壮麗な宮殿や異国情緒豊かな寺院、時を告げる水時計(漏刻)、猿石や亀石などの不思議な石造物、石組みの苑池と噴水施設、壁画古墳など...これらは東アジアの緊迫した国際情勢下で、人々や文物の交流によって飛鳥にもたらされました。飛鳥を訪れると、なぜか懐かしい記憶がよみがえるのは、1400年近く前に、納税などで初めて飛鳥を訪れた祖先たちの驚きや感動が、私たちのDNAに深く刻み込まれているからかもしれません。

 飛鳥の田園風景の地下には、「日本書紀」に記された世界が、時を止めたまま埋もれています。発掘された遺構や遺物は、埋もれていた時の長さを訴えるかのように、雄弁に歴史を語り始めます。「日本書紀」などの文献に書かれた歴史と、発掘された歴史のせめぎあいを通して、ほんとうの歴史がみえてきます。

 飛鳥資料館では、そうした飛鳥の歴史をわかりやすく展示しています。

 皆さんもぜひ飛鳥を訪れ、日本の国や文化がどのように形づくられたのか、古代の歴史や万葉の世界を体感されてみてはいかがでしょうか。

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  飛鳥資料館長

  奈良文化財研究所長
  松村恵司

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