展示品紹介 キトラ古墳が盗掘された時代はなぜ分ったか?
キトラ古墳は7世紀末から8世紀初頭に造られました。
しかし、それから約500年後の鎌倉時代に盗掘を受け、副葬品等の多くが持ち出されてしまったと言われています。
なぜ、盗掘を受けた時代が分かったのでしょうか?
それは、石室の中から、盗掘者が持ち込んだとみられる土師器の小皿が出土したためです。
土師器とは、赤褐色の素焼きの土器を指します。
出土した土師器の小皿の形を調べたところ、13世紀(鎌倉時代)に作られたものであることが分りました。
この小皿は、盗掘の際に、灯明皿として持ち込まれたと考えられ、そこから盗掘の年代が推測できるのです。
今回ご紹介した土師器は、キトラ古墳壁画の公開(第8回)で展示しています。
この機会にぜひ、実物をご覧下さい。