展示された写真の中から、担当者のオススメ一枚を紹介するコーナー、
今回は昭和45年(1970)の藤原宮跡の写真を紹介します。
これは、奈文研が藤原宮跡の発掘調査を本格的に始めた時期の写真です。
写真の中央には、発掘調査の作業風景が写っていますが、見所はそれだけではありません。
周辺の田んぼでは、今ではほとんど見られなくなった、
稲わらを保存するための「ススキ」がいくつも立っています。
耳成山の手前には、松がそびえる大宮土壇があります。
この松林は、江戸時代の国学者、賀茂真淵の『古跡略考』にも記されましたが、
松くい虫の被害のために枯れて、今は見ることはできません。
発掘調査では、現場の作業風景も記録するために写真が撮影されます。
これらの写真は、発掘現場のようすだけではなく、
景観や生活の変化も語ってくれます。
2016年05月04日(水曜日)