
日本という国の礎が築かれた飛鳥の地が、世界文化遺産の候補地として世間の注目を集めています。飛鳥地域の歴史的な遺跡と豊かな自然、そして人々の暮らしと生業が織りなす唯一無二の風景や情景は、古都飛鳥を遺そうとしてきた先人たちの意志と努力の賜物でもあります。
第17回写真コンテストでは、「遺したい飛鳥」をテーマに作品を募集・展示します。世界文化遺産の構成資産候補となっている飛鳥・藤原の史跡での一枚はもちろん、皆さんがぜひ後世に遺したいと思う飛鳥の風景や情景を写した"とっておきの一枚"をお待ちしています。
後世まで遺したいと思う飛鳥の風景や情景を写した写真
飛鳥地域で撮影した作品を募集します。撮影時期は問いませんが未発表の作品に限ります。
※本コンテストでの「飛鳥地域」とは...明日香村を中心に橿原市・桜井市・高取町の一部も含めた範囲(大和三山や奥飛鳥、藤原京も対象)を想定しています。
あなたの「遺したい飛鳥」は何でしょう?
今回のテーマは、皆さまが「遺したい」と思い描く飛鳥の風景や営み、日常などを題材とし、総数88点の作品の応募をいただきました。
このテーマからは多岐にわたる題材が考えられますが、どの作品も自分が感じた飛鳥の「遺したい」部分がうまく作品にまとめられており、審査しながら「なるほど」と改めて再発見したものもありました。
審査のポイントとしては「写真を見てタイトルが想像できるか」。その点では主題が明確な作品が多い印象でした。審査中は作品を見つつ裏面のタイトルを確認するのですが、想像したタイトル通りの作品が多くありました。
毎回申し上げますが、構図の工夫により作品の意図や主題が明確になります。この点は、今回は非常に良くまとめられた作品が多くありました。また、テーマに沿った作品づくりをした結果かと思いますが、鮮やかな色彩よりも、トーンの変化で情景を浮かび上がらせる作品が多く、上位入賞の作品の多くはカラーながらモノトーンの落ち着いた作品が目を引きました。
モノトーンの作品は画像の仕上げやプリントが非常に難しく、画像の仕上げをもう少し慎重にした方が良い作品もありました。撮影時も高感度によるノイズや色転びを避け、題材によっては低感度での高解像度撮影にもチャレンジしてみてください。
次回の題材は「飛鳥のにぎわい」です。皆さまのご応募をお待ちしております。

受賞コメント
この度は正一位に選んで頂きありがとうございます。桜と蓮華それぞれに役割があり、それは人の手が加わることによってつくられます。移ろう季節の中、そこに込められた思いを感じられる時間と場所が、いつまでも遺っていてほしいです。
講評
奥に見える桜の山肌から手前の蓮華へのトーンの変化を季節の変化になぞらえ、落ち着いた作品にまとめられています。靄の立つ部分のトーン変化がもう少しあれば良いのですが、変化が少ない場合は切り替わりの部分を黄金比にすることでより安定した構図になるかと思います。

受賞コメント
明日香自慢の一つ、棚田より眺めた里山風情に差し込む夜明けの太陽光、日本人の心の原点に触れたような、癒されるこの景色は後世に伝えていくのが我々の務めであろうと思います。しかし近年その棚田の維持管理に苦労され、害獣被害、耕作放棄地の増加、等々対策を怠ればその被害を受け、十分なる対策を施せば美田の姿が忍びなく、さびしい限りです。世界遺産認定を機に皆で守って行ければと、願う一人です。
講評
稲渕の棚田、遺したい里山風景。立ち上る靄の遠景から手前の棚田の造形へと緑のトーン変化が素晴らしい作品です。棚田に落ちる樹木の影まで造形にアクセントとして取り入れられていて、トーンの変化を際立たせています。

受賞コメント
この度は、正二位をいただき誠にありがとうございました。飛鳥の風物詩として、脈々と受け継がれてきたとんど祭に参加させてもらいました。村内では数地区で継承されていますが、本作品は開始時間が早められたおかげで夕刻の風情が収められました。
講評
とんど焼きの風景でしょうか。島庄の地元に伝わる習俗・ならわしを守り伝える地元の方々、大きなとんどが西の茜空に映える美しい風景。これを「遺したい」と思う撮影者の気持ちと、遺すべくつとめる人々、その両方がうまく作品にまとめられています。

受賞コメント
この度は、栄えある賞をいただき光栄に思います。
日本一長名の神社なのに、あまり知られてなく残念な思いでここを題材に撮影しました。
世界遺産登録の後、沢山の参拝客が来るように心から願います。
講評
鬱蒼とした森の中にひっそりと佇むお社。ほぼ緑一色のモノトーンでまとめられていて、静けさを醸し出しています。稲渕の奥地に守り伝えられてきたお社の風景が遠景の森に溶け込んで、「遺したい」という感傷に浸ることができる作品です。

受賞コメント
この度、入選の連絡を頂き大変嬉しく思っております。誠に有難うございます。今回のテーマは簡単そうで大変難しかったです。時代と共に風景は変わらざるを得ません。しかし、飛鳥を愛する心=飛鳥愛があれば、最も良い形で古都飛鳥を遺せるのではと考え、飛鳥愛を後世に遺したいと思いました。地元の方が神社階段を丁寧に清掃する姿に飛鳥愛を感じ、この1枚を選びました。
講評
こちらも「継がれる社」と同じく稲渕の奥地に佇むお社。そのお社を守り継ぐために勤しむ人々が紅葉の樹木による視線の先に配置されており、自然に主題に視線が流れる構図でまとめられた作品です。

講評
桜の季節、石舞台古墳の周辺では多くの桜が咲き誇ります。一般的なイメージでは桜色の鮮やかな風景ですが、落ち着いたトーンの桜の中に石舞台古墳が主張せずに表現されています。モノトーンの中に主題がうまく配置されている作品です。

講評
切り倒された桐の木と切り株。いつの時代も子どもたちはあらゆるもの・風景が遊び場になります。人々の営みが繰り返されてもそこに暮らす人々がいる。その風景こそ「遺したい」と感じる作品です。落ちないように気を付けてね。

講評
酒船石といえば、上面の不思議な造形が有名で、世界遺産「飛鳥・藤原の宮都」の構成資産にもなっています。この作品では、あえて上面の造形ではなく、側面の矢穴跡を主題に重量感のある酒舟石の姿を作品にまとめられています。主題と遠景の切り替わりのバランスを構図でもう少し整えるとより良い作品になるでしょう。

講評
晩秋の飛鳥、冬が来る前の燻炭づくりが刈り入れ終わった田んぼの中でおこなわれます。遠景の紅葉も過度に主張せず、燻炭作業が主題としてまとめられています。三脚でスローシャッターを使い、煙を上手く使ってトーンを出すとより主題が明確になるかと思います。

講評
田植え間もない稲渕の棚田風景に一羽の鷺が蛙をついばむ一瞬のシャッターチャンスを捉えています。少しカメラを下に向けて水面に映る鷺を写したり、少し上に向けて畦の造形などを写れしたりすればさらに良い作品になるでしょう。一瞬での撮影ですから難しいですが、チャレンジしてみてください。

受賞コメント
僕は全国的にだんだん作り手が減少している水田にフォーカスしました。
おいしい日本のお米は日本の宝物です。なのでお米はもちろん、作り手さん達を守りたい!!と強く思いました。
これを機に、いつまでも当たり前にあると思わず毎日より感謝してお米をいただこうと思います
講評
今年度の若草賞は非常にフレッシュなカメラマンの作品です。若い感性でもやはり日本の主食はお米。その稲作を「守り伝え遺したい風景」として意識し、俯瞰気味に撮影して田園風景の遠景に人々の暮らしを写し込んだ作品です。
| 応募締切 | 2026 年6 月30 日(火)必着 |
|---|---|
| 展示期間 | 2026 年7 月17 日(金)〜 9 月13 日(日) (月曜休館 ただし7月20日(月)は開館し翌平日休館) ※来館者投票 7 月17 日(金)〜 8 月16 日(日) |
| 応募作品審査 | 奈良文化財研究所 写真室、景観研究室、飛鳥資料館 学芸室 |

正一位・・・1名 飛鳥資料館官位・官位授与証・岡村印刷工業株式会社 ミストグラフⓇ による受賞作品のプリント・額装(協賛者提供)・入賞者副賞
正二位・・・2名 飛鳥資料館官位・官位授与証・副賞の詳細は後日公開
正三位・・・3名 飛鳥資料館官位・官位授与証・副賞の詳細は後日公開
正四位・・・4名 飛鳥資料館官位・官位授与証・副賞の詳細は後日公開
正五位(若草賞)・・・1名 飛鳥資料館官位・官位授与証・副賞の詳細は後日公開 ※10代・20代対象
人気作品賞・・・1名 表彰状・副賞の詳細は後日公開 ※来館者投票最多得票者
写真額装・写真コンテスト関連飛鳥資料館図録・文化財写真研究・明日香村の新米
応募作品を飛鳥資料館で展示!
飛鳥資料館HP、Facebook、Xで入賞作品を発表します。
入賞者の方へは、飛鳥資料館から電話および封書にてご連絡いたします。
写真コンテストに関連して、よくお問い合わせのある質問をまとめましたので、応募の際に参考にしてください。
A. 1点です。
A. このコンテストでは、飛鳥地域として、明日香村を中心に橿原市・桜井市・高取町などの一部も含めた範囲を想定しております。大和三山や奥飛鳥、藤原京も対象にはいります。
A. 過去に撮影された写真でもかまいませんが、ぜひこの機会に、飛鳥を巡って、新しい視点で飛鳥の景色を見直してみてはいかがでしょうか?四季折々、朝昼晩、お好きな時間帯に撮影してください。
A. 審査会では、「飛鳥の歴史と文化の表現」「飛鳥の新たな魅力の発見」を重視しています。
著名な観光地や文化財を撮影した写真ならば、どこかで見たような写真ではなく、光の捉え方や撮影視点を工夫してみてはいかがでしょうか?
観光案内にのらない場所でも、飛鳥地域の人々の営みや歴史への思いが感じられる風景を撮影した写真は、当コンテストの意図に沿うものとして高く評価します。
また、来館者投票で1作品が選ばれます。来館者の心をつかむインパクトのある作品が好まれるようです。
| 住所 | 〒634-0102 奈良県高市郡明日香村奥山601 |
|---|---|
| 電話番号 | (0744)54-3561 |
| FAX番号 | (0744)54-3563 |
| info.shiryokan_nabunken☆nich.go.jp (☆を@に変更してください) |