KitorA-Atlas

特別史跡 キトラ古墳(きとらこふん)

キトラ古墳は2段築成の小さな円墳で、東西にのびる丘陵の南斜面に位置する。発掘調査により、墳丘は下段の直径が13.8m、上段の直径が9.4mと判明した。7世紀末~8世紀初頭頃に造られたと考えられる。

墳丘の中央には、凝灰岩の切石を組み上げた石室があり、石室には18個の直方体の切石が使われ、天井には屋根形のくり込みを設ける。石材は古墳から北西に約14キロ離れた二上山から運ばれたものである。石室内部の広さは奥行2.4m、幅1.0m、高さ1.2mで、天井・側壁・床面の全面に漆喰が塗られ、その白い漆喰面に、四神や十二支、天文図などの極彩色壁画が描かれる。

現在、キトラ古墳の墳丘は、発掘調査の成果をもとに、築造時の大きさに復元整備している。墳丘面には全体に保護盛土を施し、南海地震などの被害で大きく崩落していた墳丘の南から南西側も盛土を施し、古代の地形に近づけている。墳丘の前面には、解説板と、古代の古墳の姿を体感できる地形模型を設置している。また、古墳のそばには、四神や十二支、天文図を原寸大で浮き彫りにした金属製の壁画プレート(乾拓板)があり、壁画を写し取る乾拓体験ができる。

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