考古第三研究室Archaeology Section 3調査研究

調査・研究

 遺跡出土瓦磚類の整理・分析・調査報告という通常業務のほか、独自の研究課題を計画し、実施してきました。以下にその主なものを紹介します。


A.軒瓦型式一覧の作成(1973~1983年、1994年~1996年)

 発掘調査の進展により増加した軒瓦の型式を整理し、以後の調査研究に資するよう基準資料として体系化する作業に、1970年代より着手しました。その成果は『奈良国立文化財研究所基準資料 瓦編 I~IX』および『平城宮出土軒瓦型式一覧』『平城宮出土軒瓦型式一覧〈補遺篇〉』として刊行しました。その後、従来の軒瓦型式一覧では補いきれない資料が急増したことを受けて、当時知られていた平城京・藤原京出土のすべての軒瓦型式について、拓影・文様構成・寸法・出土地の再集成・再整理をおこない、『平城京・藤原京出土軒瓦型式一覧』(1996年、奈良国立文化財研究所)に取りまとめました。


B.法隆寺昭和資財帳作成への協力(1977年~1992年)

 法隆寺昭和資財帳作成の一環として、法隆寺で使用されていた瓦磚類の悉皆調査に協力しました。これまで法隆寺で収集された瓦、および文化庁記念物課による若草伽藍の発掘あるいは防災工事に伴う発掘を通じて集積されてきた瓦、堂塔修理時に屋根からおろし収蔵されていた瓦、奈良国立博物館による「福園院」発掘調査で出土した瓦がその対象です。対象となった瓦の時期は飛鳥時代から明治時代にまで及んでいます。法隆寺には今なお白鳳時代の主要伽藍が残っており、その瓦には現在まで連綿と繰り返されてきた修造の歴史が反映されていると考えられます。したがって、これを整理・分析し、その結果を報告することは、瓦から読み解く日本の歴史研究に大きく貢献することができるとの見通しのもとにこの作業をおこないました。その成果は、『法隆寺の至寶 昭和資財帳第15巻 瓦』(1992年、小学館)に結実しています


C.研究集会の開催(1998年~2008年)

考古第三研究室が中心となって「古代瓦研究会」を主催しました。飛鳥寺から藤原宮にかけての特徴的な軒瓦を主題に、11回の研究集会(検討会1回)をおこない、その成果は、『古代瓦研究Ⅰ』(2000年)・『古代瓦研究Ⅱ』(2005年)・『古代瓦研究Ⅲ』(2009年)・『古代瓦研究Ⅳ』(2009 年)、『古代瓦研究Ⅴ』(2010年、奈良文化財研究所)として取りまとめています。


D.古代東アジアにおける造瓦技術の変遷と伝播(2005年~2008年)

 独立行政法人日本学術振興会・科学研究費補助金による共同研究「古代東アジアにおける造瓦技術の変遷と伝播に関する研究」(基盤研究A)(課題番号 17202022、研究代表者:毛利光俊彦・山崎信二)です。中国・韓国の研究者にも協力を仰ぎ、中国・韓国・日本の造瓦技術を比較して、東アジアという地域スケールで瓦造りの由来や変遷・伝播の具体相に接近することを試みました。その成果は、2009年の国際シンポジウム(『古代東アジアにおける造瓦技術の変遷と伝播』2009年、科研報告書)において公表しました



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