考古第二研究室Archaeology Section 2調査研究

調査・研究

 古代の土器・土製品の生産と流通、使用形態は様々です。その実態の解明は、律令国家の支配体制のみならず、当時の生活や精神文化の様相、あるいは手工業生産を復元していく上で極めて重要です。そのため考古第二研究室では継続的な研究に取り組んでおり、その中で下記のような個別研究を実施してきました。


A.河南省文物考古研究所との国際共同研究(2000年~)

 2000年より中国河南省文物考古研究所との国際共同研究「鞏義市黄冶唐三彩窯址及び産品に関する共同研究」をおこなっています。毎年互いに調査団を派遣し、中国最大規模の唐三彩窯である鞏義市黄冶窯や白河窯の発掘調査および、出土品の整理・調査を中心に、研究を進めています。この共同研究の中間成果は、『鞏義黄冶唐三彩』(2003年刊)、『黄冶唐三彩窯の考古新発見』(2006年刊)、『河南省鞏義市黄冶窯跡の発掘調査概報』(2010年刊)として刊行しています。


B.平城京出土陶硯の研究(2006年~)

 古代の文書行政の普及を示す考古資料である陶硯の集成とその様相把握を目的とした研究です。奈良時代における陶硯の最大の使用地である平城京域から出土した資料をまとめ、出土傾向や種類・法量の時期的変遷などを調査しました。その成果は、『平城京出土陶硯集成Ⅰ-平城宮跡-』(2006年刊)、『平城京出土陶硯集成Ⅱ-平城京・寺院-』(2007年刊)として公表しています。


C.「畿内産土師器」の調査研究(2001~2005年)

 2000年に開催した研究会「古代土師器の生産と流通」の成果を受けて開始した研究です。宮都を中心に生産・消費された、内面に暗文と呼ばれる装飾的文様をもつ特徴的な土師器(一般に「畿内産土師器」と呼ばれています。)は、地方と中央の関係を考察する上で重要な資料です。この「畿内産土師器」の全国各地における資料状況を把握し、基礎的資料とするために、集成作業をおこないました。その成果は、『畿内産暗文土師器関連資料Ⅰ-西日本編-』(2005年刊)としてまとめています。


D.平城宮出土墨書土器の研究(1983年~)

 墨で土器に文字などを書いた墨書土器は、木簡と同じく古代の重要な文字資料としての学術的価値をもっており、遺跡の性格や土器の使用形態を示す場合もあります。平城宮から出土した墨書土器について、出土遺構の説明、釈文、実測図をまとめ、これらを公表することで、広く古代史研究に資することを目的としています。これまで『平城宮出土墨書土器集成Ⅰ』(1983年刊)、『平城宮出土墨書土器集成Ⅱ』(1989年刊)、『平城宮出土墨書土器集成Ⅲ』(2003 年刊)の3冊を出版しています。


E.記号・文字・印を刻した須恵器の研究(1997~1999年)

 文部省科学研究費補助金による「基盤研究C2:記号・文字・印を刻した須恵器の集成」についての研究です。須恵器に刻された記号・文字・刻印の意義解明と、飛鳥地域・藤原京・平城京から出土する須恵器の産地識別に役立てるため、都城および窯跡出土須恵器に記されたヘラ記号、ヘラ書き文字、刻印と陶・土製印の集成をおこないました。その研究成果は『記号・文字・印を刻した須恵器の集成』および『記号・文字・印を刻した須恵器の集成 資料編』(2000年刊)として公表しています。


F.平城宮・京出土須恵器の分類と産地同定(1989~1991年)

 文部省科学研究費補助金による「一般研究C:平城宮・京出土須恵器の分類と産地同定」についての研究です。平城宮・京から出土した須恵器の分類作業と、各地の須恵器の実見調査から、産地の同定をおこない、平城京への須恵器供給の実態解明をめざしました。その成果は『平城宮・京出土須恵器の分類と産地同定』(1992年刊)にまとめられ、その後の研究の基礎となっています。



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