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第一次大極殿Former Imperial Audience Hall


公開時間

9:00~16:30(入場は16:00まで)

休館日

月曜日(月曜が祝日の場合はその翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)

第一次大極殿院と大極殿

第一次大極殿院復元模型の平城宮へのモンタージュ

 平城京の正門である羅城門と平城宮の正門である朱雀門を結ぶ朱雀大路の延長上、宮の中央には、南から北へ向けて緩やかに傾斜する空間が広がっています。この場所を、第一次大極殿院と呼んでいます。

 大極殿院は、天皇の即位や元日朝賀などの国家儀式、あるいは外国使節の歓迎の儀式がおこなわれた施設です。平城宮には大極殿院と想定される地区が、この他にも東隣にもう一か所あります。 

 このうち第一次大極殿院地区は、710年の平城京への遷都当初から740年に恭仁京へ遷都されるまでの間、大極殿院が置かれていたところでした。南北320m、東西180mの範囲を築地回廊で囲み、南半分を広場とし、北半分では磚(せん、粘土を焼き固めた灰黒色の煉瓦)積みの擁壁を設けて高い壇を形成し、天皇の座がおかれる建物である大極殿を配していました。


大極殿正殿復元事業

 平城宮跡では、1978年に策定した「特別史跡平城宮跡保存整備基本構想」に基づき、宮跡全体を「遺跡博物館」とみなした整備・活用事業が、文化庁によりすすめられています。その一環として第一次大極殿院地区では、中心建物である大極殿(大極殿正殿と呼称)の復原工事が、遷都1300年となる2010年の完成を目指して2001年より開始されました。奈文研は、現在、文化庁が進めるこの復原事業に対し、専門的立場から復原のための基礎研究に重点を置いて協力しています。
 
 なお、文化庁により、復原工事の過程を広く公開するとともに、関連資料を展示する施設として、第一次大極殿正殿復原工事一般公開施設が、復原工事現場に隣接して設置されています。


大極殿の復元研究

第一次大極殿平面図

 奈文研は、大極殿の復原原案の作成段階までを主体となって進めてきました。原案作成のための復原研究は、第一次大極殿院地区の発掘調査の成果をまとめた『平城宮発掘調査報告XI』(1982年)の検討過程において始まりました。その後、第一次大極殿院の復原事業を念頭においた検討を進め、1993年には大極殿院全体の1/100模型、95年には大極殿の1/10模型を作成し、98年に大極殿院の復原原案を得るに至りました。

 大極殿の復原原案作成にあたっては、現存する同時代の建物からその様式を引用し、組み合わせるという手法にとどまらず、古代建築の構造から細部の形状の意味に至るまで、総合的な検討をおこない、古代建築のしくみを新たな視点から理解し直すことを試みました。古代建築を新たに作り上げるという立場から、現存する古代建築、今日までの建築史研究の成果、明治以来百年を越える蓄積をもつ文化財建造物修理から得られた知見、発掘調査によって明らかになった資料のそれぞれに再検討を加えていきました。


復元大極殿の構造形式

第一次大極殿立面図

 大極殿の構造型式は、発掘調査によって得られた基壇及び階段の痕跡と発見遺物、そしてこの大極殿が移築されたものとみられる恭仁宮大極殿の遺構を直接的な根拠とし、さらに平安京大極殿に関する諸資料や現存する飛鳥・奈良時代の建物を参照して推定されました。

 基壇は凝灰石で化粧された二重の壇上積(だんじょうづみ)基壇、建物の平面は桁行7間(各柱間17尺)、桁行2間(各柱間18尺)の身舎(もや)の四周に出15尺の庇(ひさし)を廻す形式です。

第一次大極殿断面図

 建物は二重で、上重の屋根は入母屋造本瓦葺です。初重の柱は身舎と庇の高さを同高に揃える、中国の『営造法式』(1100年に北宋で編纂された建築技術書)にいう「殿堂」形式としています。柱間装置は、正面を全て解放、側面と背面を壁とし、階段位置に扉を設けています。組物、軒は薬師寺東塔を、内部架構や小屋組は法隆寺金堂を参照しています。


免震装置の採用

 朱雀門同様に、大極殿の構造は、復原原案のままでは今日における建築構造上の安全性を満たしておりません。そのため、実際の建設にあたっては、構造上の安全性を満たすための手だてが必要となります。大極殿の実施設計では、地震による揺れを最小限に軽減させるための手だてが必要となります。大極殿の実施設計では、地震による揺れを最小限に軽減させるための免震装置が導入されました。基壇内部を空洞として、リニアスライダー、積層ゴム、粘性体ダンパーの組み合わせからなる免震装置を挿入し、復原建物を地盤から切り離すことにより、建物本体への構造補強を最小限に抑え、復原原案に近い形態での施工が実現されています。

第一次大極殿基壇の免震装置





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