中国-遼寧省の文化財
遼寧省文物考古研究所との共同研究
 遼寧省文物考古研究所との共同研究は、1996年度から始まりました。きっかけは、遼寧省西部の北票にあるラマトン墓地遺跡から日本の古墳時代と関係する数多くの遺物が出土したことにあります。当初は、出土した金属製品の保存処理に関する技術提供と技術指導が中心でしたが、それに考古学的検討が加わり、次第に、日中両国の遺物の比較研究へと進んでいきました。
 
 2001年度には両研究所の間で「共同研究協定書」を締結し、2002年度から、4ヵ年計画で「3-6世紀日中古代遺跡出土遺物の比較研究」をテーマとした共同研究が始まりました。主として三燕文化の墓(4-5世紀)から出土した遺物を対象として、毎年、観察・実測・写真撮影・理化学的分析を実施し、また、中国側研究者の来日の機会をとらえて、講演会や研究会を開催しています。

 2003年度には、遼寧省文物考古研究所が編集した『三燕文物精粹』(2002年1月発行)の日本語版を刊行し、2005年度には、共同研究の成果として、日中双方の研究者による論文集『東アジア考古学論叢』を刊行しました。また、両研究所の協議を経て、2006年度からは、「朝陽地区隋唐墓の整理と研究」をテーマとした共同研究を進めています。


三燕とは?
鮮卑族の一つである慕容鮮卑は、3世紀初から5世紀中葉にかけて、遼寧省の西部で活動しました。彼らが建国した前燕(337-370)、後燕(384-409)と鮮卑化した漢人が建国した北燕(409-436)をあわせて三燕と称しています。