文化的景観研究集会(第5回)
【テーマ】 | 「文化的景観のつかい方」 |
【開催期日】 | 平成24年12月14日(金)~15日(土) |
【開催会場】 | 現地見学会:重要文化的景観「近江八幡の水郷」 研究集会:滋賀県立安土城考古博物館セミナールーム |
【参加定員】 | 現地見学会:先着 50名 研究集会:先着 140名 |
【詳細】 | 研究集会プログラム等 (406KB) 情報交換会のご案内 (675KB) |
開催趣旨
この10年来、文化的景観という考え方は専門家のみならず、一般の方々にも普及・浸透しつつあります。
一方で、この文化的景観への取り組みは、多様な地域に暮らす私たちに一体何をもたらしてくれるのでしょうか。
奈良文化財研究所で開催してきた研究集会では、文化的景観のさまざまな可能性が追求されるとともに、総合施策の中で取り組んでいくことの重要性が繰り返し論じられてきました。すなわち、文化的景観とは、地域づくりのプロセスの一部であり、関連する他の仕組みと一体となってはじめて輝くものと言えます。それぞれの地域に根差してその輝きを本物とするためには、地域住民や行政関連部局、大学・研究機関、民間企業などとの連携、そうしたお互いの力を引き出し合いながら、文化的景観の取り組みを進めていくことが不可欠です。
今回は、「文化的景観のつかい方」と題して、地域づくりの文脈で文化的景観に取り組むには、実際にどういった仕掛けと活動がカギとなるのかを考えたいと思います。日本各地で法律に基づく保護の実践が進められて7年以上が経過し、文化的景観を守ることを目的とするのではなく、地域を持続可能な暮らしの場にするために文化的景観をどのようにつかうのかという発想での取り組みも、徐々にその輪郭が見えはじめています。そうした種々の実例を踏まえ、文化的景観に取り組むことの意義についてもさらに深めていきたいと思います。
本研究集会はこれまで奈良を会場に開催し、昨年は「奥飛鳥の文化的景観」の重要文化的景観選定を機会に、明日香村で現地見学会を試み、好評を得ました。一方、滋賀県立安土城考古博物館では、2012年11月23日から2013年1月27日まで、第45回企画展「暮らしが生んだ絶景-琵琶湖
水辺の文化的景観-」が開催されます。そこで今回は、同博物館を会場として開催するとともに、最初に重要文化的景観に選定された「近江八幡の水郷」の現地見学会も実施することとしました。
プログラム
12月14日(金) | |
【現地見学会】 | |
10:00 | 安土城考古博物館駐車場集合・出発 |
10:15 | JR 琵琶湖線「近江八幡駅」北口集合・出発 |
10:30~12:30 | 重要文化的景観「近江八幡の水郷」 |
12:45 | 近江八幡市営多賀観光駐車場( 八幡堀周辺) で解散 |
13:50 | 昼食後、出発 |
14:00 | 安土城考古博物館に到着 |
【基調講演・講演】 | |
14:00 | 受付開始 |
14:30 | 開会挨拶 小野 健吉(奈良文化財研究所文化遺産部長) 大沼 芳幸(滋賀県立安土城考古博物館副館長) |
14:35 | 趣旨説明 惠谷 浩子(奈良文化財研究所) |
14:40~15:40 | 基調講演「滋賀県の文化的景観」 濱崎 一志(滋賀県立大学) |
15:40~15:55 | -Coffee Break- |
15:55~16:40 | 講演1 「文化的景観保護行政の現状」 市原 富士夫(文化庁記念物課) |
16:40~17:25 | 講演2 「文化的景観と地域づくり」 神吉 紀世子(京都大学) |
【情報交換会】 | |
18:00~20:00 | 於: 近江八幡駅周辺(会費5,000 円) |
12月15日(土) | |
8:30 | 受付開始 |
【報告】 | |
9:00~9:45 | 報告1 「高島の文化的景観の取り組み」 山本 晃子(高島市教育委員会) |
9:45~10:30 | 報告2 「文化的景観と里山保全」 奥 敬一(森林総合研究所) |
10:30~10:45 | -Coffee Break- |
10:45~11:30 | 報告3 「庁内連携での文化的景観保護」 廣瀬 岳志(宇和島市教育委員会) |
11:30~12:15 | 報告4 「文化的景観と土木デザイン」 柴田 久(福岡大学) |
12:15〜14:00 | -Lunch- |
【総合討議】 | |
14:00〜15:55 | 座長:小浦 久子氏(大阪大学, 奈良文化財研究所客員研究員) コメンテーター: 金田 章裕氏(人間文化研究機構 理事長) パネリスト: 山本氏, 奥氏, 廣瀬氏, 柴田氏 |
15:55~16:00 | 閉会挨拶 平澤 毅(奈良文化財研究所) |