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(123)飛鳥資料館40周年

最新の古代研究 披露

 聖徳太子や蘇我馬子が仏教の教えを学び、天智・天武天皇が我が国の政治の体制を整えていった、国家はじまりの地、飛鳥。今も、のどかな田園風景の中に古代の政治や祈りの場所が遺跡として残っています。

 奈文研は、この飛鳥の歴史を土の中から掘り起こす発掘調査を昭和31年(1956年)から続けています。その発掘調査で明らかになった飛鳥の歴史や、最新の文化財研究の成果を展示しているのが、飛鳥資料館です。

 資料館の開館は、高松塚古墳発見による飛鳥ブームでわき立つ昭和50年のこと。平成9年(1997年)には、山田寺跡から出土した東面回廊を再現した第二展示室がオープンしました。法隆寺西院伽藍(がらん)よりも古い、飛鳥時代の建築が展示室の中に蘇(よみがえ)ったのです。

 熱心な歴史ファンに支えられ、飛鳥資料館は今年開館40周年を迎えました。近年では、飛鳥の魅力を掘りおこす写真コンテストを開催したり、かわいらしい出土品をモチーフにした大人も子供も楽しめる塗り絵をつくったりと、飛鳥の歴史を楽しめる様々な企画に力をいれています。

 この秋は、特別展『キトラ古墳と天の科学』を11月29日まで開催しています。キトラ古墳天文図にかかわる最新の研究成果を、ぜひご覧ください。

 

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飛鳥資料館で再現展示している山田寺東面回廊

(奈良文化財研究所飛鳥資料館研究員 西田紀子)

※注 現在、特別展『キトラ古墳と天の科学』は終了しております。

(読売新聞2015年11月15日掲載)

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